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第8回スペイン国際折紙コンベンション

2005年5月12日(木)〜5月15日(日)にスペイン・バルセロナで行われたスペイン折紙協会(Asociacion Espanola de Papiroflexia)主催「第8回スペイン国際折紙コンベンション」に海外招待作家として参加してきました。14カ国から100名以上の参加者が集まり、賑やかに行われました。海外のコンベンションに参加するのはこれが初めて。いろんな方と親交を深めることができ、大変有意義な滞在となりました。お世話になった全ての方に感謝を申し上げたいと思います。



コンベンション会場
参加者記念写真
ロバート・ラングさんと
講習風景
展示会場風景
講習風景
講習風景
ロバート・ラングさんのカンファレンス
カンファレンスの聴衆
ロバート・ラングさんの展示作品
マヌエル・シルゴさんの講習にて
マヌエル・シルゴさんの展示作品
ローマン・ディアスさん&デヴィッド・ブリルさん
ローマン・ディアスさんの展示作品
講習風景
講習風景
ヴァンサン・フロディエールさんの作品を持って
食堂の様子
ローマン・ディアスさん&パトリシオ・クンツさん
ニコラス・テリーさんと
エンリケマルティネスさん&宮本幹子さん夫妻
パトリシオ・クンツさんと
ジョアン・サラスさんと
夕食会


◇感想

【前日】
約15時間のフライトを終え、現地時間で夕方の6:30にバルセロナに到着。エンリケ・マルティネスさん&宮本幹子さん夫妻が出迎えてくださいました。着いて早々荷をほどく暇もなく、歓迎の食事会ということで市の中心部のレストランへ。今回の海外招待作家であるニコラス・テリーさん(フランス)、ローマン・ディアスさん(ウルグアイ)、ロバート・ラングさん(アメリカ)とも対面。まだコンベンション前日だというのに40名以上いたのでは? おいしい料理をいただきました。ロバートが即席で「バイオリン奏者」を披露、喝采を浴びていました。宮本さんからスペインの折り紙事情についていろいろ聞き、正方形の折り紙用紙がなかなか手に入らないこと、折り紙はスペイン発祥との自負があるため、スペインでは”Origami”という言葉は使わず、もっぱら"Papirofrexia"ということなど。熱心なファンはインターネットで世界中サイトを調べていて、宮本さんも時々日本のサイトで「何て書いてあるのか?」と聞かれるのだそう。宿に帰ったのは1時。この時点で27時間起きっぱなし…。

【1日目】
 昨日頑張って起きてたので時差ぼけは一切なし。でも夕方の4時開会なので、昼間はのんびり。散歩したり、展示作品を見たり、ニコラスやローマン、パトリシオ・クンツさん(チリ)らと談笑したりしてのんびり過ごしました。この日到着したデイヴことデビッド・ブリル氏(イギリス)にもお会いできました。
 夕方に開会しましたが、特にレセプションとかもなく、なんとなく始まっていました。講習受付もなく、時間になったら受けたい講習の部屋に行くだけという、いたって大らかなもの(それでも適度に人が散らばるのだから不思議)。最初の講習は「白鳥」。初日は人の出が少なかったので、受講生は数名。宮本さんが通訳をしてくれるとのことでしたが、英語が分かる人が多いので、全編英語で通すことに。言葉が出てこないときは、日本から持ってきた折紙用語対訳表と電子辞書を駆使。それでもうまく説明できないときは結局日本語でまくし立てて宮本さんに通訳をしてもらうことに…。途中から参加してきた青年2人が折図を見ながら余裕で追いついてきました。翼を自己流にアレンジして、しかもセンスがいい。やはりスペインにも手練がいましたね。
 夕食はニコラスと。先月フランスで小さなコンベンションがあり参加してきたという。10月のイタリアコンベンションのゲスト参加が決まっているとのこと。「その前に東京に来なさい!」とけしかけておく。同席したスペイン人の女性は、なんと前川淳さんの「悪魔」のブローチをつけていました。おお「悪魔」の呪いは遠きスペインの地まで及んでいたか…。
 夜は(10時から!)、ロバート・ラングさんの折紙設計についての講義。「一番の問題は、理論を理解することが難しいということです」と言うと同時に(たまたま)女性二人が退室し、場内爆笑。質問したいことも沢山あったのですが、うまく言えなさそうもなかったので躊躇。受講者は男性が多く、ご婦人方はは別室で即席の折紙教室をしていたよう。夜遅くまでホント熱心だなぁ。

【2日日】
 午前中の最初のコマはジョアン・サラス氏の講習に参加。ヨーロッパにおける折紙の歴史を研究されている同氏。多数の貴重な文献を拝見させていただきました。何人か外国からの参加者がいたので、英語のできる受講者の方が通訳してくれました。おなじみのトイレットペーパーの芯を使った作品を教えていただきました。
 次の「」と「フォトフレーム」の講習は海外からの参加者と地元の参加者が半分くらい。それにしても、英語の講習だとかえって細かいニュアンスなんかを説明できないので、日本語の講習より早く終わってしまいます。これは問題だなぁ。
 午後はマヌエル・シルゴさんの講習に参加。折図集に掲載されている「スカラベ(?)」と「飛ぶヘラクレスオオカブト」を折図を見ながら折る。特に後者に大苦戦。ひたすらハードなオープンシンクが続くタフな作品でした。あまり英語が得意でない彼でしたが、後日ローマンが通訳してくれて、少し話をすることができました。日本にもファンがいることを伝えました。9月に新しい本が出るとのことですが、前に出た本は急いで作ったので不満があるが今回は自信作とのことでした。
 夕食前に突然日本語で話しかけられてびっくり。地元の参加者の方で以前日本語を勉強したことがあるんだとか(写真の後列左から3人目の人)。挨拶くらいしかできないとのことでしたが、とてもわかりやすい英語を話される方だったので、スペインの折紙事情などを聞かせてもらいました。夕食中にはニコラスとじっくり話し合っていたら、取り残されてしまいました。
 夜中にはマヌエル、ニコラス、フェルナンド・ヒルガドさんらによる新刊本のプレゼンテーション。スペイン語(もしくはフランス語)だったのでこればかりはまったく意味わからず。

【3日目】
 この日の朝食時に同席した若者と話していたら、なんとホセ・シャケさんでした。折紙探偵団コンベンション折図集Vol.10に掲載されていた彼の"Spitfire"が大好きだったので、少し興奮。初の作品集が9月に発行されるとのこと。もちろん飛行機がメインの作品集。あとで本の原稿を見せてみらう約束をしました(結局これは実現しませんでしたけど)。
 この日の午前中は自分の講習が入ってなかったので、一人で市内観光へ。地下鉄を乗り継いでサグラダ・ファミリアとカテドラルに行き、昼食前には戻ってきました。この後外で記念撮影。まったく整然としてもいなければ、決まったカメラマンもおらず、えらく適当。
 午後は「死神」の講習。受講者は7〜8人。来てくださった皆さんは大変上手でした。「『』も教えてくれ」とのことだったので15分の超高速講習。考えてみれば、これを人に教えたのは初めてだなぁ。
 最後の1時間はフリーだったのですが、"よろず相談所"状態。なかでもマニアックな3人がいて、私の作品を展開図折りしようと目論む猛者揃い。かなり熱心に管理人のWebを見てくれているみたい。みんなクリアファイルに私の作品の展開図と完成写真を入れてるんです。「『』を展開図折りして折図を描いたので見てくれ」「『』の顔の折り方がわからない」「『ユニコーン』のたてがみの折り出しがわからない」「水牛」の頭部の折り方がわからない」と次から次へと"濃い"注文が。「情熱の国スペイン」というフレーズが頭をよぎりました。
 この時点で夕食の時間をかなり超過。夕食も彼らと一緒にすることに。またしても濃い話。「折鶴ウォーズには参加したのか?」「S太郎って誰なのか?」「ブログに載っていた田中将司さんの蝶の展開図を書き写して折ったみた」とか。展開図折りが好きな彼ら。「私の展開図は省略されている部分があるから結構難しいよ」と諭して(?)あげる。田中さんのファンという一人に、以前田中さんに教わった「3D折り鶴(?)」を折って見せたらバカ受け。次の日に早速「3Dパハリータ」を折ってきました。見事な反射神経です(写真の前列右端の彼です)。それにしてもインターネットって凄いなぁ。
 夜はバスツアー。10時出発。正気の沙汰じゃない。英語でガイドさんがいろいろ説明してくれるのですが、信じられないくらいスペイン訛りがひどく、まったく聞きとれず。ゴシック地区でバスに帰らぬスペイン人の皆さんは飲みに行ったらしい(あとで聞くところによると4時まで飲んでいたとか)。結局宿に帰れたのは1時だった…。 ヘトヘト。

【最終日】
 だんだん疲労が色濃くなってきましたが、初っぱなから「うさぎ」の講習。日当たりの良い気持ちのよい部屋でした。後ろ足のつまみ折りのところで"Make a rabbit ear fold..."と説明しているところ、デイヴが"No. This is rebbbit leg fold"と言って講師を大いに困らせました。12時ぴったりに終わり喝采を浴びる。コンベンションはあと2コマを残すのみなのですが、フライトが迫っていたためここで会場を後にしてエンリケの車で空港へ。直接お別れを言えなかった人には宮本さんに伝言をお願いしました。

 今回の旅では本当に多くの方と折り紙を通じて心を通わすことができました。「折り紙をしていて良かった」と改めて思い、折り紙をしない人たちに心の底から「ザマーミロ!」と言いたくなるような、そんな旅でした。今回知り合った方とはその後もメールのやり取りを続けています(上の写真のいくつかはパトリシオが送ってくれたものです)。再会できる日を楽しみにしたいと思います。折り紙を続けていればどこかで会えるような気がします。